キリンヤガ

なんだかんだで読了。なるほど、オーソン・スコット・カード主導のアンソロジー向け企画か…。どーりでつまらんわけだ。カードはモルモン教徒なので正確にはWASPではないが、「いまここ」の非常に限られた倫理観を宇宙と未来に適合させるさもしさはレズニックと、そして恐らくはブリン(まだマシなほうだけども)とも共通している。
ちなみに、俺は「センス・オブ・ワンダー」とは「価値の相対化に伴う眩暈」を含むと思ってる人間なので、『キリンヤガ』にしても『ハイペリオン』にしてもSFとしてはまったく面白くなかった。作中の表現を借りるなら、「違う。<SF>に<教訓>を持ち込んでしまったら、それはもはやSFではないのだ」
なんだか脳内で90年代SF総クズ説(でも『終わりなき平和』も90年代だったなぁ…)とゲームの死の表現が繋がってしまったので、ヒマができたら「ピーター・モリニューのSFイズム」について、『シンジケート』『シンジケートウォーズ』を肴に書くかも。ヒマないけど。