CASSHERN

やっとみた。…うーんなんつーかおしりのあながむずがゆくなるえいがでつね。
ゲームのCGムービーを繋げたように見えるのは、別にこれがCGバリバリだから、ではなく、複雑な世界設定に浅い世界観、説明と見せ場しかない窮屈なシーン構成、凝りまくった映像に感情過多な紋切り人物、ものすごい画面情報量と無関係に単純なテーマ、といったバランス感覚が良くも悪くも日本のRPGっぽい。寺尾聡が碇ゲンドウまんまだったりするあたりも、エヴァブーム頃のゲームによくある感じ。
映像は本当にいい。最初のバトルシーンとか惚れ惚れする。樋口真嗣が『ローレライ』で目指した「実写によるアニメ」は本作で既に実現されている。映像それ自体はどう見てもお蔵出しだったりイタダキだったりするが、とにかく2時間トータルこのクォリティで纏め上げたのは、カメラマン出身の監督ならではの力技だろう。
結論としては「往年のアニメが実写映画に!」というより、「往年のアニメがイマドキのアニメに!」という感じ。監督にちゃんと語るべきテーマがあり、脚本とシーンをシェイプアップしてあと1時間削ってれば、邦画史上に残る作品になったかもしれないと思うと残念だ。まぁでも、このままでも十分カルト映画化する資格はありそうだが。