ブラザーズ・グリム

むむむむむ…。良くも悪くもギリアム版『スリーピー・ホロゥ』だなこりゃ。『ブランケット&マクレーン』風の兄弟キャラは面白いがいたって普通、つーかどー考えても監督の愛はピーター・ストーメアに注がれてるし、最近悪役づいてる(007とかRONINとか)ジョナサン・プライスが満を持してギリアム作品に復帰! で意味なく場をさらうワリに意外とつまらない退場のし方でガッカリだし。
フランス軍と鏡の魔女と、どっちがホントの敵なんだかわからず、しかも主人公たちはどっちとも闘いたくないという…。このよろしくない脚本のせいで、悪役を倒したカタルシスが得られないのが最大の敗因か。ちなみにフランス軍の扱いはいつもの国辱級。英語しゃべらせてんのに。
ギリアムらしく画は素晴らしいが、無意味にエグい描写もギリアムらしくちゃんとあり、ちゃちな脚本のクセに子供に見せらんない映画になってるのも難。『フィッシャー・キング』風にきちんとトラウマと対決する映画にするか、すべてギリアムに任せて悪い冗談にするか、いっそのことジョン・ランディスあたりに撮らせるとかした方が良かったのでは。