妖異金瓶梅

読了。最後はミステリではなかった。それにしても昔の山風はやっぱ黒いなぁ。「女が自分をだます能力は天賦のもの」とか、登場する女たちがガンガン殺されたりとか(男はデフォでガンガン殺されるわけだが)、このころ何か女性不信になるよーな事でもあったんだろか。晩年の山風は丸くなってしまって、その部分に関しては、(最後の小説である)『柳生十兵衛死す』の違和感は凄まじかった。
破滅的なクライマックスのあとのラストシーンが、『幻燈辻馬車』を思わせて泣ける。