スモール・イズ・ビューティフル

読了。「新しい所有の形態」は、資本主義の枠組の中で、その利益の半分を共産化する考え方で非常に興味深い。少なくとも、「搾取され感」が強い現状よりも(結果的には同じなのだが)企業や資本家にとって納得し易いシステムだろう。
特に日本には(元、を含め)なんたら公社が多くあり、社会主義的資本主義のベースは既にある。また、NPOのシステムも儒教思想が根強い日本にぴったりだろう。
と言って、富の私有がこれだけ進んだ現状から、シューマッハーが唱えたような世界が到来するとは考えにくい。日本でも40代以下は儒教思想が浸透しているとは言えず、いまの10代の刹那的快楽を戒める言葉を、その親たちは持っていない。残念ながら、すでに手遅れである可能性も高そうだ。