きねてぃっくねぇ

キネティックノベルとかいうのが出るらしい。
http://www.kineticnovel.jp/
正直、遂にこの日が来たか……という感が否めない。ストレスの少ないゲームを好むユーザーの受け皿として、その最下層に位置するノベルゲームから、さらに下が出てくるとは正直思わなかった。いや、かすかに思ってはいたが、見て見ぬふりをしていた、というのが正しいか。デドアラが格ゲーだったり、FFX2がRPGだったりするように、ノベルゲームも「ゲーム」だ、と主張し続けるだろう、と信じたかっただけかも。
作者たちは自覚的だろうが、「選択肢がある」ってのはゲームとして成立させる為の最後のエクスキューズだったはずで、これは、もうそれすら切り捨てて構わない、との独立宣言である。普通に考えるなら、ゲームではないのだから流通ルートの問題がここに立ちふさがる。そこを孫兄弟の弟がバックアップしたからこその、今回の造反劇(言葉は悪いが)ではあるのだろう。
メディアとしては映画がマンガに退化したようなものだ。ここまではっきりと「ゲーム性は不要!いや、いわば悪なのだ!」と断言されてしまってはもう同族意識も持てはしない。いままで「萌え」とゲームはある種の共生関係(もたれ合いとも)を持っていたと思うが、少なくとも俺は、今月29日をもって、はっきりと「敵」であると認識することにする。
スクウェアの坂口氏は、ゲームをステップボードにして念願の「映画」を作った。結果は失敗だったが、その精神は『FF7 アドベンドチルドレン』にそのまま受け継がれている。規模こそ違え、今回もゲームから旧来のメディアへのスピンアウト企画だ。しかも、エロは低い方に流れやすい業界、この流れが一気に進む可能性は大いにある。
日本のゲーム市場がどんどん規模縮小していくことだけは間違いないようだ。ゲーム制作者が常に「ゲームである必要があるか?」を自問し続ける時代。これも、ユーザーを育ててこなかった罰なのか……。