川の深さは

クライマックスに関しては前に日記で危惧していた通り、『トゥエルブY.O.』『亡国のイージス』に出てくる「過去の事件」そのままだった。このデビュー作のみ、のちの作品に比べてスケール感に乏しく、そういう意味ではまだ日本作家の枠をはみ出してはいない。キャラの実在感のなさ(アニメっぽさ、ともいう)も本作が一番気になる。
福井晴敏が本領を発揮したのはやはり『亡国のイージス』からなのだろう。あと未読は『月に繭 地には果実』と『終戦のローレライ』のみ。ローレライは映画化で文庫化待機中だから、それまで待つか。