コンピュータRPG(6)

90年代の落穂拾い。

  • 日本ではCRPGでファンタジーに触れた層が多く、TRPGもその層(の一部)に浸透した
  • ポケットモンスター』はトレーディングカードゲームの収集、対戦要素をドラクエCRPGに持ち込み、小学生を中心としたまったく新しい層に大ヒット
  • 日本では『ドルアーガの塔』以来、キャラクターメイキングが省略され、与えられた主人公でプレイする形式が主流となった(アメリカでは最後まで主流にはならなかった)
  • アメリカにおいて戦闘、日本においてストーリーまたは収集、とCRPGの遊ばれ方は日米で全く変わった
  • ウィザードリィ』型の3Dダンジョンは、3D描画技術の向上により、『ドラッケン』『ウルティマ アンダーワールド』を経てフィールドに統合された
  • SFCのほとんどのCRPGシリーズはPSへ移行したが、ドラクエ、FFの二強に対してことごとく消えていった
  • ドラクエのスピンアウト作である『不思議のダンジョン』シリーズは『ローグ』を家庭用機向けに翻案し、ストーリー主導でないRPGとしては国内屈指のヒット作となった
  • 伝奇SF世界、3Dダンジョン移動を特徴とする『女神転生』シリーズは独自の客層を得たが、そのクセのある作風から広範なファンを獲得することはなかった
  • PSオリジナルのCRPGFF7と同様、「ムービーと戦闘」システムを採用し、一定の成功を収めた
  • 中でもPC時代からアニメ調のキャラクターとストーリーを売りにしていた旧日本テレネット(現テイルズスタジオ、現メディアビジョン、現トライエース)は、ポストFFとも言える勢力となった

総じて、90年代は(MMOを除き)CRPGのユーザー層が確定した時代といえる。アメリカのCRPGが狩猟であるのに対し、日本のCRPGは愛玩(観察、収集)であるように思う。アメリカではよりリアルな狩りを求めてCRPGが衰退し、日本のCRPGはキャラクター性を求めて記号化の道を歩みつつある。