ギャグゲー

少年マンガのジャンルは、まず大抵はTVゲームになっている。スポーツ、冒険、バトル、ラブコメ等々……で、ギャグのゲームがないのが気になる。これはどうしてだろう? 一部のシリアスなゲーム(メタルギアとか)に突発的にギャグが仕込まれてたりするが、ギャグを前面に押し出してヒットした例はあっただろうか。『スイッチ』『半熟ヒーロー』ぐらいがせいぜいか?
TVゲームにおいて物語性がもてはやされるのは、だからマンガを考えれば分かり易い。ただバトルしてるだけのマンガでは「もたない」からだ。『ドラゴンボール』以来、バトルマンガは「冒険+バトル」の2軸で量産されるようになったが、これは「ストーリー+戦闘システム」の2軸で作られる和製RPGとまったく同じである。
とは言え、ボールを弾き返したりインベーダーを叩き落したりしてた頃のTVゲームはそれで十分成立していた。それは、一種のシミュレーターであったからで、いまさんざん画像がリアルになったTVゲームが物語性に頼らざるを得ないのは、リアルの魔法は解けていて、既にシミュレーター足り得ていないことを意味するのではないか。
話をギャグゲーに戻すと、これはギャグマンガと同じくイバラの道だ。リアルなシミュレーションも高い物語性も人を笑わせてはくれない。
で、『せがれいじり』なんてのも世に出ていることからすると、物語性に毒されているのは作り手ばかりとは限らない気がしてくる。システムと物語性とギャグを高度に融合させた『Day of the Tentacles』のよーな作品が出てくれば違うのだろうか? 人任せになってしまうが、誰か出してくれんもんか。