KILL BILL vol.2

うーん、観に行くスタンスを間違えたかな。vol.1マンセー! な俺みたいな人間は、今回そのまんまなノリで行くと間違いなく肩透かしを食うと思う。なにかのギャグかと思った「ザ・ラブストーリー」は本当のことなので、これから観に行こうとする人は心しておくと吉。
前作からの流れで、今回は「カンフー&ウェスタン」だと思っていたらウェスタンは無し。その分、カンフー部分が唯一バカ映画ファンへのアピールどころなわけだが、前作の大立ち回りを観たあとだと正直ものたりない。『レジェンド・オブ・メキシコ』でも思ったが、もっとアクションシーンが欲しいのですよ、バカとしては。あ、でもここのシークェンスだけ無意味にズームを多用したり平気でフォーカスが合ってなかったりフレームから出ちゃったりするのは笑った。タランティーノ流のカンフー映画は、こーゆーディティールで構築するもののようだ。このへん、やっぱりティム・バートンといい勝負してる。
映画としては前作を数段上回る完成度だと思うが、前回見せたタランティーノの新境地! っぽい演出はなりを潜め、えんえん毒蛇の講釈をするダリル・ハンナとか、暇つぶしと称してアメコミの講釈をするデビッド・キャラダインとか、昔のタランティーノくさいシーンが続出。構成も意識的に前作よりブツ切りにしてあり、これも『レザボア・ドッグス』を思いだす。
あと前回もちょっと思ったが、あまりにもサスペンスや感情表現を音楽に頼りすぎなのは個人的に気になった。役者の演技やセリフを押さえて音楽ばかりが雄弁なのは、演出家としてどーなのか。