アニマトリックス

オーディオコメンタリーの方でちょこちょこと。
川尻善昭『PROGRAM』は、やろうと思えば今風にも出来たけど、オムニバスってことであえて「自分と日本のアニメーションの得意技だけ」で構成した、と聞こえた。このへん、今作最年長でもあり、日本アニメのトップを張っている自負が伺われる。あと、「まぁ、話は1日で作ったんですけどね(笑)」って、やっぱりか!(笑)
小池健『WORLD RECORD』は川尻監督のエスコートの上手さが、この傑出した面白さに繋がっていたと知って少々驚き、さらに納得。どうも本作後の彼の仕事を見ると、小池健の圧倒的才能の使い方というかプロデュースの仕方というか、もっと考える必要がある*1と思う。
あとは「迫力があるけど何やってるか分からんカット群」と「レイアウトとして優れたロングショット」を繋いでる、ってとこで、『ボーン・スプレマシー』のグリーングラスの演出法*2を思い出した。スムーズなモンタージュと、臨場感やケレン味を両立させる手法として、彼らがそれを意識的にやってるのが印象に残ったが、アップの後にはロング、っていう当たり前の話ではなくて、「すぐあとのカットでわかるんだから、このカットはワケがわからなくてもいい」という判断を、蛮勇でなく出来るクレバーさが羨ましい。

*1:もちろん、監督業で多忙な川尻氏以外の誰かで。というか本人の営業努力も必要かも

*2:たしか、マット・デイモンのインタビュー中の発言だったと思う